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マーラー体験 終わる ・ つづく ・ 始まる

去る7月7日13時より19時、名古屋市東海高校の講堂にて、マーラー:交響曲第8番のオーケストラ・リハーサルを行ってきた。オーケストラはかれこれ1年近く練習を重ねてきたらしいが、私の受け持ちは4月21日につづく2度目。
「本番指揮者・井上道義先生から直々のご依頼」と言えば聞こえは良いが、実際には、他の指揮者のご都合がつかず、苦し紛れに出てきたのが私の名前であったらしい。

120710_024031.jpg

ご依頼を受けたのが本年2月20日。
それまで、「8番」はおろか、我が人生の途上に、マーラーのシンフォニーを振る場面が現れるなど、まったく予期していなかったため一瞬狼狽えたが、「こんなチャンスは二度とあるまい」と無謀にもお引き受けすることに。その意志を伝えると、早速、マエストロ・ミッチーから恐ろしいメールが届いた。


差出人:井上道義
件名:88888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888
本文:君が何かやらせろと言ったんだから責任とれよな。冴えないと悪魔に八つ裂きにされるぞ!


数字の8が無限に連なる件名にも驚かされたが、本文はさらに衝撃的だった。
マエストロの愛は、かくも激しく、厳しく、熱烈なのである。
(「一緒にお仕事をしたい」と直訴したのは事実だが、それはあくまで合唱指揮者としてのこと)
「受けて立たねばならぬ。音楽家として生まれたからには、この試練に打ち克たねば!」 
という気合いが弥が上にも高まったのは言うまでもない。

というわけで、4月21日、1回目のお務めを何とか果たしたことは、当ブログ4月23&24日の記事でも報告した。
しかし、本当の勝負は2回目なのだ。
1回目は、珍しいから面白がってくれたかもしれない。
さらに、今回は本番のほぼ1週間前、楽員たちの作品への理解も深まっていることが予想されるため、
こちらの準備不足や不勉強があれば、見透かされてしまうだろう。
レッスン内容が本番の出来映えに直接影響を与えてしまう、という責任も感じる。
また、6時間レッスンというのは、本番前日以外にはコーラスでは滅多に経験しない長丁場なので、
ペース配分にも気をつけなくてはならない。
というわけで、まるで入学試験前の受験生のような緊迫の日々を過ごしたものである。

そんな折、マエストロからは、2通目の檄文が届いていた。
内容は、過激を極める。

「俺を殺せ!」

たったその一言。
つまり、2度目のオケ指揮で、自分を超える音楽を創ってみろ! という愛のお言葉なのだ。
なんという大きな懐であろうか。
男を惚れさせる男、とはまさにマエストロのことである。

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いろいろ心配はしたが、いざレッスンが始まってみると、愉しくて仕方がなかった。
結局、やることは、コーラスの指導と大きく変わらないのだ。
楽員の習熟度が上がっている分、当方の指示への反応もよいし、
何より、総勢150人という大オーケストラの豪勢なサウンドを自らの指揮で味わえるのだから、こんな贅沢はないのである。

レッスン終了後、オーケストラのメンバーからも、口々に「楽しかった」「勉強になった」と励まして頂けたのはまことに嬉しかった。懇親会も大いに盛り上がり、翌日にマエストロ稽古が控えているというのに、二次会のお開きは午前様。つまり、6時間のレッスン時間を上回る勢い。いや本当に、それくらい団員も私も意気投合し、気持ちが高まったのである。

明くる8日は、最初の1時間のみ、私の指揮による管楽器の分奏。
それから2時間、マエストロによるオケ総奏稽古。
昼食を挟んで3時間、コーラスとの合わせ、というスケジュール。

マエストロの指揮は素晴らしかった。
圧倒的な力強さとしなやかさ、そして、発想の自由さ。
そこに、風格、円熟というものも加わってきていると思う。
自分が指揮をした翌日に、マエストロの音楽作りの現場に居ることは大変に勉強になった。
2012年7月7日、8日の二日間は、私の音楽人生に於いて、特筆すべき日となった。

残されたお仕事は、14日=本番前日、及び15日=初日の稽古に、マエストロの助手としてGPに立ち会うこと。
そして、15日の本番を客席で聴くことである。
(16日の本番は、厚木市合唱祭と重なったため、聴くことができない)

そのとき、私の濃密かつ激烈なマーラー体験は終了する。
しかし、この終わりにはつづきがある。
次なるステップへの始まりに過ぎないのだ。

120710_024617.jpg


名古屋で生まれた友情が、いつかベートーヴェン、ブルックナー演奏会として美しく花開くことを、予感しているところである。










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ドブロゴス「ミサ」

森本先生のご指導のもと、ドブロゴスの「ミサ」より「グローリア」の練習、「キリエ」の復習をしました。 テンポ感を失いそうな恐ろしい曲ですね・・・ 斉唱の部分が多いので、音

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ありがとうございました

熱烈な御指導、本当に有難うございました。

本番を一週間後に控え、テクニカルな精度をあげることにばかり気を取られていた我々に、マーラー8を、というよりは音楽をする上で最も大切なことをガッツリと注入して頂けたことは、我々にとって目からうろこでもあり、また最高の喜びでもあり、井上先生練・更には本番に向けての最良の発奮材料となりました。

自分たちとしても、7日の福島先生練があったからこそ、8日の井上先生練において、1日練まで見据えていた地平よりもさらに高い次元に照準を合わせた演奏が出来たと自負していますし、だからこそ井上先生のテンションも一気に上がり、「本番が本当に楽しみになってきたぞっ!!」というご発言につながったのだと思います。

我々オケメンバー一同にとって、福島先生との出会いは一期一会でした。本当に有難うございます。本番二日目を聴いて頂けないのは大変残念ですが、ゲネプロ、初日は是非とも福島先生の御指導を胸に刻んだ我々一同の魂の音楽を受け止めて下さいませ。

Re: ありがとうございました

「一期一会」などというから、もう最初で最後なのかと思いきや、フェイスブックのコメントによると、下記の意味とのこと。ホッと安心しました。
「あ、マーラー8練習を通した出会いの中で最も衝撃的かつ​感激的なものであったというつもりで描いたのですが、確​かにそうもとれてしまう言葉ですよね。大変失礼しました​!勿論これで終わりとは誰も思っていませんので、どうか​今後ともよろしくお願い申し上げます!!」

こちらこそ、宜しくお願いします!
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