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ブリュッヘンの「エロイカ」印象記

  昨夜聴いたブリュッヘン&18世紀オーケストラのベートーヴェン「第2」「エロイカ」公演の記憶の褪せないうちに、簡単にメモを書き残しておきます。

  オーケストラのチューニングが終わったやや長い間の後、下手からその姿が現れたとき、客席にアッと衝撃が走った。車椅子に座し、介添人に押される猫背の痩せた姿は、まるで介護施設の病人。とても、これからベートーヴェンのシンフォニーを指揮するオーケストラの支配者には見えなかった。
  指揮台に一人で上れないどころか、手すりに掴まることなしに自力で立っていることもできない。そんな男から紡ぎ出された音楽は、しかし、なんと力強く、しなやかで優しく、哀しみを伴い、そして美しかったことだろう。
   弦は、7-7-5-5-3。モダン楽器であれば低音過多となるほど、下に分厚い編成だ。もっとも、古いドイツの巨匠による堅牢なサウンドとは性質は異なり、その厚い低声部が呼吸し息づいているため、音楽は無限の自由さの中で羽ばたくこととなる。
  すべてのパートにブリュッヘンの息が通う様は、音による絹の織物を思わせた。圧倒的な音量や人を驚かせる仕掛けは皆無。すべてを作品に語らせ、ジワジワと滋味の染み出るというタイプの名演であった。
  欲をいえば、すみだトリフォニーの大きな空間には、左右に振り分けられたヴァイオリン群にもう1プルトずつ欲しい気もしたが、それは精神を集中し耳を澄ますことで、歩み寄ることができた。
  因みに、本公演に先立つ1年半ほど前、ロッテルダムにて収録されたベートーヴェン交響曲全集では、メンバー表に9-9-6-5-3の氏名が記されているが、それが全9曲に及んでいるのかは確認できない。
  
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