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なぜアナログか?

アナログ偏重は如何なものか?
という意見を度々頂戴する。

そこで、私の想いを述べておきたい。

理由は簡単で、「CDで評価してきた内容がアナログを聴いて覆される」
というケースが相次いだからである。
旧「クラシックCDの名盤」の初版を書いた頃には、まだCDしか聴いていなかった。
その後、アナログの世界に足を踏み入れ、その森の深さを知るに及び、
演奏家の息吹をより身近に聴いたり、録音エンジニアたちの丁寧な仕事ぶりを肌で感じられるようになり、
私の評価が一変したのである。
その原点を知らずして、CDで演奏の善し悪しを語るべきでないと悟ったのである。

私は、プロとして、なるべく演奏の本質に迫りたい。
そして、その感動を味わいつつ、読者に伝えたい。
という強い想いから、オーディオを徐々にグレードアップし、今日に至っている。
私のような無茶を読者にもせよ、と言っているわけではない。

別の角度から言うと、オーディオに無頓着な音楽評論家が多すぎるのではないか?
イチローがスパイクにこだわるように、プロなら再生機器にもこだわるべきではないか?
というのが、私の考えで、
「お前だけ良い音で聴いて、読者の環境とかけ離れすぎている」
というご意見には与しない。
もちろん、私の装置が唯一無二とは言わない。
いろいろな巡り合わせと、資金の範囲からギリギリの選択。その積み重ねが今のシステムを形成している。
オーディオは人それぞれ、人生の数だけ形があってよいのだ。

とはいえ、アナログが完璧なわけではない。

第1に、誰もがオリジナル盤を聴けるわけではない、ということ。
多くの場合、オリジナル盤の音質が後発盤より優れるわけだけれど、
もともと数は少ない上、稀少盤は驚くほどの高価になる。
粗雑につくられた盤であれば、CDを下回ることも多いし、過度な蒐集は生活を逼迫させる。

第2に、アナログ盤には、外周と内周で音質に差がある場合も多いし、
完璧なコンディションのものは少なく、ノイズを伴うケースが多いということ。

第3に、手入れが面倒。
度重なる盤面のクリーニング、カートリッジ交換の際の針圧の調整など、
いちいち面倒なことが多く、私のような無精者には辛い。

第4に、たいへんに場所をとるため、特別な収納スペースが必要。
さらに重量も半端ではなく、場合によっては床の補強が必要になる。
いまの日本の住環境を考えると、アナログを持てる人は少数。
我が家も例外でなく、同居する家族に多大な迷惑をかけている。

などの苦労から、アナログから解放されたら、どんなに楽だろうと思うことしばしなのである。

それでも、アナログを聴かざるを得ないのは、CDのフォーマットに限界があるからだ。
人間には聞こえないはずだとされる上と下の周波数がざっくりカットされているために、本当の感動の味わえないケースが多いのである。

最近、テレビがハイビジョン仕様になって、かつてのDVDを観ると色褪せて見えることが多いが、
その感覚に似ているといえば似ている。
DVDのフォーマットに限界がある以上、どんな高価なプレーヤーで再生しても、
安価なブルーレイに敵わないということになるのだ。

というわけで、SACDには大いに期待している。
マスターテープの状態さえ良ければ、アナログを凌駕する可能性は十分。
しかし、普及率に伸び悩み、特定のアイテムしかSACDとなっていない。
また、売れる数が限られるだけに、単価が安くならないという悪循環もある。

今後は、非圧縮&高音質による配信に期待したいが、
いまは資金難のため導入を見合わせているところ。
これが定着すれば、収納の問題も音質の問題もクリアできるし、
少数派にしかニーズのない音源が配信されるようになれば有り難い。









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フォーマットと再生

我が身を振り返り、現行CDのファーマットを余すところ無く完全に再生出来ているのかというと正直、全く自信が御座いません。
それ故、アナログの優位点は認識するものの、真に再生トータルとして、その優位性を声高に語れるかというと、正直自信が持てません。
よくよく考えれば、CDもアナログも音源オリジナルではないという点では同じですよね。
デジタル、アナログの比較も古い音源に対し、リマスターをかけたデジタルとオリジナルアナログと比較してもフォーマットの比較か、リマスターの評価か判然としないというようなこともあるのではないでしょうか。
翻って、古い音源のアナログが提示するディープな世界をご紹介戴くことの尊さと同じくらい、新しい音源の、新しいフォーマットが提示する、開かれた大きな世界も今後のクラシック音楽の推進の原動力になると存じます。更にご尽力賜りますようお願いするところで御座います。




Re: フォーマットと再生

pontaさま
コメント有り難うございます。
オリジナルLPについては、そこに制作者の思いや意図がもっとも反映されているということが大事です。ゆえに、CDやSACDのリマスターの良否を判断するには、オリジナル盤の音を知っていることが有益であると考えています。
新しいフォーマットには、期待していますよ。新譜もSACDを選ぶことが多いですし、将来は高音質の配信音楽も導入したいと考えています。

EMIのSACD

福島先生

単行本になると、どうしても先生が記述される欄が制限されてしまうので、ぜひご意見をうかがいたいのですが、先生が入手難を嘆かれていたシューリヒトのブルックナーをはじめ、EMIから怒涛のSACDラッシュです。

私はSACDしか聴いたことがありませんが、初期アナログとは違う魅力があるのでしょうか。あるいは、アナログはもっとすごいのでしょうか。esotericとも違う音作りですよね。

先生はどのようにお考えですか。

Re: EMIのSACD

緑の街さま

いつも拙文のご愛読有り難うございます。
実は、EMIのSACDについては、まだ手つかずの状況なのです。
限られた予算の中、執筆に直接必要なものから優先的に購入するためです。
私も気になっておりますので、聴く機会ができたら、ご報告させて頂きます。

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福島親方

Author:福島親方

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